【神戸で簡単登山&滝見物&地質ツアー】新神戸駅から徒歩で行ける布引の滝

大学生活

神戸は三ノ宮周辺でショッピングをするだけじゃなく,山や海などで自然も楽しむこともできる異質な土地です.

中でも,六甲山系は夜景や登山に最適なスポットとして全国的に有名になっています.

しかし,神戸大学の学生である僕にとって,神戸市で手軽に登山ができる最適な場所は,新神戸駅から簡単に歩いて行ける「布引の滝」周辺であると思っています.

布引の滝は,ただただ有名な滝があるだけじゃなく,六甲山系の地質学的な特徴を知れたり,神戸市の水事情についても学びながら登山を楽しむことができる,まさにいいとこどりができる登山スポットです.

今回は,ただの神戸観光で終わらせたくないという方におすすめな,新幹線で簡単に行ける一風変わった登山スポットを紹介します.

日本三大神滝の一つ「布引の滝」が望める登山スポット

日本の三大神滝は,和歌山県の那智の滝や華厳の滝,神戸の布引の滝であると言われています.

滝は普通,文字通り秘境にあるものですが,神戸の布引の滝は全国的にも異質で,新幹線新神戸駅から徒歩10分程度で行けちゃいます.

新神戸駅の目の前から布引の滝へのルートはわかりやすく掲示されている

新神戸駅一階出口を出ると,新神戸駅の標識と共に布引の滝の標識があります.一緒に紹介されちゃうくらい本当に近場にあります.

こちらが新神戸駅の外観.見ての通り駅の裏側はすぐに木々が生い茂る山が見えます.

新神戸駅の一階部分にはタクシーやバスのロータリーがありますが,なんと川も流れています.この川は生田川で,布引の滝上流から三宮の市街地を流れて,大阪湾に流れ込みます.新神戸駅の下を流れるこの川の横を歩くことができるようになっており,そこを進むと布引の滝に行くことができます.新神戸駅の壁には布引の滝まで0.4kmとの表示がありました.

夏場には,このように生田川で泳いだりBBQをしたりする人々でにぎわいます.

今年はコロナの影響があり人が少ないかと思っていましたが,意外と今年も多くの人が訪れていました.

布引の滝のもう一つの楽しみ方「大地や地質を楽しむことができる」

実は布引の滝周辺は地質学的に見ても非常に面白い場所として知られています.登山道のいたるところにこのような案内があり,六甲山系の地質について説明してくれています.

今回は,理系大学生である僕もこの地質学的な点を取り上げながら登山道の魅力を紹介していきたいと思います.

生田川を過ぎて,山を登っていくと布引の滝に行くことができる

生田川を過ぎると,若干道が細くなり道順が分かりにくくなります.そのため,道路標識がいくつか設置されていますので,随時確認しながら進んでください.布引の滝と書かれた方向に進んでいきます.

レトロなレンガ造りの橋を渡って生田川を超える

布引の滝への道中では,生田川を超えるためにオシャレなレンガ造りの橋を渡っていきます.この橋一つとっても,インスタ映えする写真が撮れますね.

実はこの生田川ですが,橋の真ん中に立ってみると奇妙にこの場所だけ東西に直線で,他の箇所では南北に川が流れているのが分かります.

さきほど載せた「断層に沿って流れる川」という案内板にも書かれているのですが,これは実は大地が大きくずれ動いてできた「断層」で川が流れる谷ができたため,ここだけ異質な形状になりました.断層部分は水の浸食に弱く風化しやすいため,川が形成されやすくなります.

布引の滝には雌滝、鼓滝、夫婦滝、雄滝がある

布引の滝は雌滝、鼓滝、夫婦滝、雄滝とよばれる滝の総称です.

登山道はこれらの滝を見て周るのがおすすめですが,最も有名な雄滝(おんたき)だけみるだけでも十分楽しめます.

見たい滝を選びながらコースを選択できるように,時々分かれ道が出てくるので気を付けてください.

いずれにしても水遊びしている生田川から徒歩数分のところにあるので,水着のまま登山したり,子どもたちも一緒に登山したりと,自由に登山の形が選べる登山道になっています.

布引の滝でまずはじめに見られる雌滝(めだき)

まず初めに見られるのが,雌滝(めだき)です.

布引の滝には雌滝と雄滝があり,こちらの雌滝は雌というだけあっておしとやかな滝と言った印象があります.

雌滝の横手には明治33年に作られた雌滝取水堰堤(めだきしゅすいえんてい)と呼ばれるアーチ状に石を積んで作られた採水場があります.ここから水を汲み取り,浄水場に水が供給されています.今でも現役で動いており,神戸市の水道を支えています.

急な登山道を進んでいくと,布引の滝二番目の鼓滝が現れる

となりのトトロに出てきそうな山道を登っていくと,ひっそりと鼓滝が現れます.

岩にひっそりと書かれていて,のぞき込まないと滝も見えないので,見落としてしまう可能性大な滝です.

このあたりは非常に水の流れが強いため,川がどんどんと浸食されていき,川が流れているのは深い谷のようになっています.

六甲山系を形成する花崗岩は長石や雲母系の鉱物が多く含まれているため,このような流水などの浸食に弱く,なおかつ,花崗岩は水がしみ込みにくいため水の流れが急激になります.

さらに進むと,いよいよ雄滝(おんたき)にたどり着く

登山を始めておよそ10分程度で,いよいよ落差43mの雄滝(おんたき)にたどり着きます.

さすがこちらは雄の滝という名前だけあって,大きな岩壁の真ん中をすごい勢いで流れる勢いのある滝でした.

勢いがすごく,離れていてもこの場所だけは水しぶきもかかり,他の地点よりも涼しさが感じられます.

滝壺のさらに下には,小さな滝があり,二股に分かれた滝の上には虹がでていました.

ここから先はいよいよ六甲山系の地質学な面白さと神戸市の水事情に迫る

雌滝と雄滝だけでも布引の滝を堪能できた気がしますが,これから先もさらに山を登っていくことができます.地質学的な面白さはこれからです.

雄滝の流れる大きな岩壁は六甲山の隆起活動で誕生した

さて,さっそくですが,この雄滝も六甲山系の地質学的な出来事で誕生しました.

こちらの案内板に詳しく書かれていますが,雄滝の周囲を眺めてみると,滝のある岩壁を境に山の高さが大きく異なっています.

これは,六甲山が地殻変動で隆起した結果,この場所を境に山の高さが変わってしまいました.山の境目ではどうしてもこのような岩壁ができてしまい,さらにそこに生田川がかかったため,雄滝が誕生しました.

地質学的ツアーに備えて一休みするならここ!自販機と売店あり!

雄滝を少し上ったところに,売店が出てきます.ここでは,暑い夏の登山にピッタリなかき氷や小腹を満たす食べ物,ドリンクなどが販売されています.

ここ以外での飲み物や食べ物を購入する場所はありませんので,気をつけてください.

ただし,販売価格はやはり山の上価格でした...

地質学的ツアーに備えて一休みするならここ!トイレと灰皿があります.

さらにもう少し上ったところには,休憩所が出てきます.

ここでは,無料の公衆トイレがありますので,こちらも要チェックです.また,この休憩所からの景色は神戸の街並みを見渡すことができ,絶景です.

さきほどの自販機同様,トイレはこの先ありませんので,気をつけてください.

喫煙される方は,灰皿も用意されています.

六甲山系を構成する布引花崗閃緑岩と六甲花崗岩の違い

休憩を終え,登山を進めていくと出てきました.THE地質学的な案内板が.

六甲山を形成している岩石は大きく分けて二種類あります.

両方とも花崗岩なのですが「布引花崗閃緑岩」と「六甲花崗岩」です.布引花崗閃緑岩と六甲花崗岩の大きな違いは,黒雲母の比率です.

花崗岩は石英とカリ長石から成る白い岩石に,黒雲母から成る黒い岩石が混じっています.

布引花崗閃緑岩の場合,カリ長石が少なく,黒雲母が多いため,どちらかというと黒い色の岩石が目立ちます.

一方,六甲花崗岩はカリ長石の比率が高いため,ピンク色に見えたりします.

これは,カリ長石が風化により変化すると,カオリナイトと呼ばれる岩に変化します.このカオリナイトがピンク色をしているので,六甲花崗岩はピンクっぽく見えたりします.

布引花崗閃緑岩の露頭

地盤が地表に出ていて観察できる場所を露頭といいます.布引の滝周辺で多くみられる「布引花崗閃緑岩」を観察できる露頭が実際にこの先にあります.

写真にある「猿のかずら橋」という,今にも猿が出てきそうな雰囲気のある橋を超えると,布引花崗閃緑岩が地表に現れている地点がすぐにでてきます.

岩石を見てみると,少し黒っぽい色がついているのが分かるかと思います.これが,布引花崗閃緑岩です.

この地点から見る三ノ宮市街地の景色も絶景でした.新神戸駅前から三宮付近までを見渡すことができます.

なお,この先は歩いても歩いても急な坂道が続くだけですので,引き返し,猿のかずら橋を先に進みました.

五本松かくれ滝

その後も歩みを進めていくと,五本松かくれ滝という滝にたどり着きます.

五本松かくれ滝はこの上にある布引ダムの建設によりできた滝で,ダムの放流により滝に水が流れている時と流れていない時があります.

そのことから,五本松かくれ滝と呼ばれています.

布引の滝を登っていくと,神戸市民の水道を支える「布引ダム」がある

布引ダムは,1900年(明治33年)に給水を始めた神戸市の水道開始に合わせて使われ始めました.日本最古の重力式コンクリートダムで,現在でも神戸市民の水源として,神戸市民を支えています.

その景色は格別で,「ダム湖百選」にも選ばれています.

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